注意:この記事にはUNDERTALEとdeltaruneのネタバレが多々含まれます。閲覧はくれぐれもご注意ください!
主人公、クリスが闇の世界で出逢うナゾ多き少年。「闇の国の王子」を自称し、クリス達にゲームのタイトルにもなっている伝説「deltarune」について語る。
緑色の魔女の服を着た黒いヤギの様な姿をしているが、衝撃の素顔がchapter 1のラストで明かされる。
その姿は前作で登場した某キャラクターとそっくり。そしてralseiという名前は彼のアナグラム。これはもう完全に…。
人間のクリスがモンスターの学校で除け者にされかけたり、スージィから威圧されたりと、ほぼ善人しかいなかったUNDERTALEの世界とは対象的に、やや意地悪な雰囲気のするdeltaruneの世界。
そんな世界でいつもニコニコ、どんな時も相手を思いやるのがラルセイです。
彼の正体は「UNDERTALEのアズリエル」で多分ほぼ間違いないでしょう。その根拠や考察は別の機会に語るとして、この記事では「ラルセイの正体はUNDERTALEのアズリエル」という前提で話をします。
彼の語る伝説「deltarune」によると「人間(クリス)、モンスター(スージィ)、闇の国の王子(ラルセイ)」の3人だけが「天使の楽園」を破壊して世界を救えるのだそう。
そして彼は出逢って間もないクリスをリーダーに任命します。
(私は再現できなかったけど)クリスと二人だけでフィールドを歩いている時に2人を向き合わせてしばらく放置すると、ラルセイが照れて視線を外すのだそうです。
アズリエルがどんだけ人間を好きかは前回の記事で解説しましたが、彼の人(ヤギ)生に、「人間」は欠かせないものであるらしいです(笑)
ラルセイの魅力について語るなら、とにかくかわいい、そして優しいの一言でしょう。
(プレイヤーのプレイ次第ではありますが)彼はその優しさでランサー王子をはじめ、多くのダークナー(闇の世界の住人)たちを魅了しました。そして恐らく、彼の優しさに心を打たれたのはゲームの世界の住人達だけではないでしょう。
しかし、その「底なし」とも呼べる優しさは危険と隣合わせでした。何故なら世界には、善人ばかりとは限らないからです。
chapter 1のクライマックスでラルセイは、自分が助けた王様(現時点でのラスボス)に裏切られ、仲間諸共皆殺しにあいそうになってしまいました。
王様はまず、リーダーであるクリスを狙いますが、彼(?)の事はスージィが応戦して助けてくれました。
真っ先に王様を攻撃できたのは、誰よりも好戦的なスージィだからこそです。
ここでプレイによってシナリオが分岐します。
いずれにしろラルセイは「誰にでも優しくすれば全てうまく行くなんて…ボク、甘かったよね」と悲しみます。
そんな彼をスージィは「ずっと戦闘モードでいても仕方ないだろ。戦ってばかりじゃ、大切な誰かを傷つけてしまうかもしれないしな」と言って励まします。
スージィといえば、好戦的な性格で序盤はクリスを威圧したり、仲間に加わった後もしばらくはプレイヤーのコマンドを受付ずに敵を攻撃したりと、いつも穏やかなラルセイとはまさに正反対のキャラクターでした。
そんな彼女も闇の世界の冒険で成長し、ランサー王子と友達になったり、王様に襲われて大ピンチのクリスを助けたり、ラルセイに優しい言葉をかけてくれたりしました。
そんな彼女にラルセイは「本当に勇者みたいな事を言うんだね」と微笑むのでした。
…ところで、UNDERTALEのキャラがアズリエルの「危うい優しさ」をフォローしなかったのかと言えば、そんな事はないでしょう。
アズゴア王が食中毒になってしまった時、笑い飛ばしてアズリエルを勇気づけたり、地上へ出たアズリエルが人間に遭遇した時には「全力で攻撃しよう」と助言したりしています。アズリエルが人間から猛攻を受けたのが先か、キャラがアズリエルにそう言ったのが先かは分かりませんが(アズリエルの話を聞いた印象では後者のような気がしますが…)キャラの言葉を無視して人間に攻撃しなかったアズリエルは、致命傷を負って死んでしまいます。
Pルートのクライマックスでアズリエルが必死にキャラを求めた理由は、ただ単に「親友だから」だけではなく、キャラこそが自分の欠けを埋めてくれる存在だったからなのかもしれません。
実際彼は、キャラの言葉に反対して人間に攻撃(反撃)しなかった事をずっと後悔していたと、最後に教えてくれます(アズリエル戦の後、エンディングを見る前にゲームのスタート地点に戻った時)。
二人だけで地上に出て人間と戦うには、彼らはあまりにも幼すぎたという事なのでしょう。
結果的にはフリスクとの戦いで皆の思いを1つにしてバリアを破壊できた為、「あの時人間に攻撃しなくてよかった」「ボクは正しい事をしたんだ」というような事をアズリエルは語りましたが、彼自身が地上に出る事は叶いませんでした。
花に戻り、誰もいなくなった地下でただ独り過ごす事になったのです。(そしてそんな彼について、作中で言及する者が誰もいない…)。
誰よりも優しいが故に最後まで孤独を背負ってしまった彼でしたが、それがdeltaruneでは解消されました。
クリスやスージィと一緒に地上にこそ戻らなかったものの、彼らに正体を明かし、再開を望みながら微笑みました。
今の彼には、頼れる仲間がいます。
彼はもう独りじゃない…!😭
UNDERTALEのアズリエルは「ソウルレス(魂≒心喪失)」という問題を抱えており、フラウィーという残酷なもう一つの顔がありました。
その二面性がアズリエルの魅力でもあったのですが、ラルセイは「ソウルレス」を克服したらしく、常に自分本来の自我と姿を保っています。
その証拠に(?)彼の服には魂の象徴であるハートが描かれています(泣ける…)。
どんな時も相手を思いやり、どんな理不尽な目に遭わされても、自身の行いを省みることこそあれ、決して他者を憎んだり怒ったりしないラルセイは、サポート役としてだけではなく、メンターとしても最高のキャラクターです。
事故や事件に巻き込まれたレベルの不幸はともかく、日常的な不幸であれば、ラルセイちゃんの事を思い出して励ましてもらえばなんとか乗り越えられる様な気がするのです。
なんだか当たり前の様に優しいラルセイですが、彼の優しさも決して当たり前のものではなく、UNDERTALEでは心無き故に皆の魂を奪って暴れたり、フリスクを殺して自分の望む世界を実現しようとしたり、父であるアズゴア王を殺してまで命乞いしたのにGルートでキャラ(正確に言えばプレイヤー)に殺されたりしました。
そんな色々やらかした辛く悲しい過去を持つ彼だからこそ、deltaruneでの優しさがグッと来ます。
UNDERTALEは大きく分けて、悪、中立、善のマルチエンディングでしたが、彼もまた、悪のフラウィー、中立のアズリエル、善のラルセイと3つの顔を持っています。