deltaruneのChapter2にて、今までで一番ヤバイやつが登場しました。その名は
通常ルートではたまたまサイバーシティを一人で歩いていたクリスに、裏ルートではノエルを洗脳して非道の限りを尽くしていたクリスに、それぞれ目をつけNEOのボディを手に入れるべく利用します。
念願叶ってNEOのボディを入手後、通常ルートでは「天使の楽園」に行く為(?)に、裏ルートではもはや「スパムトンの楽園」と化したサイバーシティを死守するため、それぞれクリスから魂を奪おうとします。
ジェビルの事は「ヘドが出る」と言うほど嫌っていますが、その理由は不明です。
通常ルートでは「友達がいない」と思ってあなどっていたクリスにスージィ&ラルセイが駆けつけた事で驚き、裏ルートでは「あれだけ酷い事をしたのだから助けに来るはずがない」と思っていたノエルに凍結させられるという、どちらのルートでも孤独なスパムトンと、いつも仲間に助けられるクリスという皮肉な対比になっています。
見た目のインパクトこそオメガフラウィには及ばないものの、UNDERTALE含めても彼が一番ヤバイ奴だと思います。
彼に比べたら「どこから語ったら良いのか分からないくらい、とてつもなく濃ゆい」と思ったクイーンも、カオスなピエロも、まだ普通に思えるくらいです(^_^;)
この記事ではそんなスパムトンのヤバさを(可能な限り)纏めます!
Chapter1ではいわゆる「G(虐殺)ルート」がなく、平和に思われたdeltaruneですが、Chapter2では本作初の虐殺(?)ルートが描かれました。
このルートにいては前作と同様Gルートと呼ばれる場合もありますが、Aルートと呼ぶ人もおり呼称が定まっていないため、この記事では「裏ルート」と呼ぶ事にします。
なお、ノエルの魔法で氷ついたダークナー達について「死んだ」という解釈をされていることが多いようですが、本当に死んでいるのかは謎です。(元々ダークナー達は“物”だしね)
そんなワケで彼は名前やBGMこそメタトン寄りなものの、物語の立ち位置的にはサンズの後継者と考える事もできるかもしれません。
…と言いたいところなのですが、虐殺されていった仲間達の無念を背負い、世界(とプレイヤー)を守るために独りで戦ったサンズと、プレイヤーの暴走を後押ししてクイーンの城を乗っ取り、自身の欲望と手にした権力を守るために戦ったスパムトンとでは天と地程も差があります(^_^;)
「裏ルートのラスボス」という点ではサンズと共通していますが、彼らのキャラクターはむしろ真逆だと言えるでしょう。
メタトンNEOと名前が似ていますが、攻撃力に全振りして耐久が紙だった彼とは対処的に、攻撃力を捨て防御力に全振りしたところは対として描かれていますが、それ以外の関連性は不明。今後の展開を楽しみに待ちましょう。
初の歌入り戦闘BGMであることに加え、メタトンNEO、ナプスタブルーク、ジェビルとの戦闘BGMもMIXされた、ジェビルが嫉妬しそうな程カオスな一曲。
有志による日本語訳によれば、彼を電話で導いた声の主が「騎士」である事も歌詞内で明かされています。
deathを「です」と読ませるポピュラーな手法は勿論、ワタ94と書いて「わたくし」と読ませる、その他、アルファベットと半角カタカナと漢字を混ぜた喋り方をします。
ピエロも真っ青のカオスなテキストに加え、[[リンクは削除されました]]という、口頭ではおよそ言わないようなセリフを度々口にするところに狂気を感じます。(ネット社会を風刺している?)
翻訳なのに、原文を超える表現力。これはハチノヨンさんの仕事を称えたいですね!
「自由になりたい」と願っていたスパムトン。しかし、クリスをそそのかし、NEOのボディを手に入れた彼に待ち受けていた運命は
操り人形
クリス達が彼を操るケーブルをほぼ断ち切ると「これでやっと自由になれる!」
「本当の男の子になります!」
…と、なんだかキノピオみたいな事を言って喜ぶスパムトンですが、最後のケーブルを断ち切ると彼自身も落下し、機能を停止してしまいます。(運命とは何と残酷な事か…)
その後、蔦に絡まれた状態で目を覚ました彼は「どうあがいても私は操り人形に過ぎないようです」「あなたたち3人なら自分を操る糸を断ち切ることができるかも」と、クリス達に希望を託し、自身はシャドウジェム&アイテムと化し消滅しました。
スパムトンの最後には、普段あまりゲーム内で感情をあらわにしないクリスもはっきりと恐怖を覚えていました。
クリスは自分の事をプレイヤーの指示で動く操り人形だと自覚しており、スパムトンの末路に自分自身の運命を重ねて見たのでしょうか?
…しかし、クリスに指示を与えるプレイヤー自身も実はTobyさんの描いた筋書き通りにゲームを進める操り人形と言えるのかもしれませんし、このゲームから離れたところで色々なしがらみに「縛られて」いるわけで、「自由になりたいけど、なれない」「最後のケーブルが断ち切られると死んでしまう」操り人形なのは彼らだけではなく、実は私達プレイヤー自身の姿でもあるのです…。(Tobyさんにそこまでの意図はなかったのかもしれませんが…)
通常ルートで戦った時は和解できましたし、「奇妙だけど良い奴だったな」と思えたのですが、その感情は裏ルートで吹き飛びました。
「良い奴」どころか「再び成り上がるためには手段を選ばない」下衆野郎でした(^_^;)
まぁ、そこがスパムトンの面白いところなんですけどね!
通常ルートで彼を倒した後、ゴミ捨て場に行くとアドソン達からスパムトンの過去を聞けます。
スパムトンは元々売れないセーマンで、「いつかビッグになる!」と同僚(アドソン)達に語っていた。
彼はある日「何者か」から掛かって来た電話をきっかけに売上が右肩上がりになり、始終電話ばかりするようになった。
ついにはクイーンの館にも部屋が用意され、そこで生活するようになった。
アドソン達はそんな彼を妬み、スパムトンとは縁を切った。
彼を成り上がらせた「何者か」はある日突然電話に出なくなり、それと同時にスパムトンの売上も下がり、城を追放され、ゴミ箱で生活(?)するまでに転落してしまう。
…という、妙に生々しくて辛い過去を持つ人物です。
栄光からの転落。縋っていたものから裏切られ、かつての仲間を全て失い、それでもなお捨てきれない[[BIG]]になるという野心…。
妙に現実的というか人間くさいというか。彼ほど極端ではなくても、誰もが少なからず似たようなorいずれかの挫折を味わった事があるのではないでしょうか…?
以上、「操り人形」「奇妙なしゃべり方」「栄光からの転落」「孤独」と盛り沢山な彼のドラマは、Chapter2の見どころの1つです。
騎士の裏切りにより全てを失ったスパムトンは、自分と同じ苦しみ(孤独)をクリスにも味あわせたかったのかもしれません…。